コラム
広告発信者のリスクマネジメント
商品や役務を提供するためには、消費者に認知してもらう必要があります。そこで、広く使われる方法が、広告です。しかし、昨今広告に対する取り締まりは、厳しくなる一方です。
広告は、表現行為の一種であり、憲法上は、極めて重要な権利として保障される表現の自由に含まれる行為と言えます。それにも係わらず、なぜ広告規制はあるのでしょうか。
一言で言うと、公正な競争を維持し、かつ、消費者を保護するためです。
自由競争の社会では、時には、商品や役務の質ではなく、広告を含むプロモーション活動次第で、競争の優劣が決まることも珍しくありません。このような原状において、仮に、広告規制をせずに、自由な表現を認めてしまうと、消費者を欺罔して誘引するものが現れ、消費者が誤信して、商品サービスの購入に至ってしまうこともあるかと思います。
このような事態は、公正な競争及び消費者保護の観点から、避けられるべき事態です。そこで、法律にとって、最低限の規制を施し、自由競争を維持し、消費者を保護しようとしているのです。
最低限の規制と表現していますが、広告規制は、法律のみならず、団体の自主規制や、行政の通達レベルの規制もあり、守られるべきルールは、多岐に渡ります。
自主規制であれば、守らなくても良いとの考え方もあるでしょう。しかし,販売促進をしつつ、企業価値を高めるためには、社会的規範(道徳、団体の自主規制、行政のガイドライン)を遵守する必要があります。
広告発信者としては、法律に基づく広告規制はもちろん、団体の自主規制や行政ガイドラインを遵守する必要があり、注意深くリスクマネジメントを徹底する必要があります。
広告法務Naviでは、法律に基づく広告規制のみならず、団体自主規制や行政ガイドライン等についても、フォローし、広告発信者のリスクマネジメントに寄与できればと思っております。